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自作 1991年に『君がいたから』でデビュー、2000年に活動休止した、 現在は『相棒』『危険なアネキ』『ランチの女王』など俳優としても活躍する 岡田浩暉をボーカルに持つスリーピースバンドで、 代表曲にドラマ『もしも願いが叶うなら』の挿入歌である『君だけを見ていた』があるのは何? (2015年10月20日 J-POPペーパー ~90’sマシマシ~ ) タグ:音楽 Quizwiki 索引 ま~英数
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596 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 22 42 59.29 ID L7iZ2RQLo 【アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引く】 おしまい 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22 44 26.50 ID y5PTZRPb0 !? 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22 44 30.46 ID RLKVbrp40 え? 603 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/12/03(日) 22 49 25.83 ID L7iZ2RQLo 以上で、勧善懲悪アラ虐ストーリーとしての本作は完結です 後日談の構想はありますが、 そちらはアラ虐でなくストーリーがメインになると思います なのでそちらの方は、また別スレの新作として書こうと思います (ストーリー要らないからアラ虐やれよ、とか言われても対応できないので…) 後日談の方は、ストーリーよりもアラ虐が見たい人にとっては、退屈な話になると思いますので、ご了承下さい ストーリー作品としての本作を引き続き読んでいただける方は、新作でお会いしましょう 604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22 50 13.54 ID scoTWzz6O 次回からは フレンズの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引くが始まります 嘘です 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22 50 17.92 ID o2Dcy1gq0 タイトル変更? あとは読者の胸の中? 御手洗さんは迷子なのか、食われたのか、テロリストに拉致されて繁殖とか、もろもろの謎とか・・・ とりあえず乙です とても楽しませていただきました 606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22 50 21.98 ID azgyQzkho タイトル変えて第二部始まるんじゃないの? もうアライさんいなくなっちゃったから と書いてたら来た。良かった まだまだ続き見たいから頑張って 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22 50 41.53 ID UKoptszpo 確かにアライさんはほぼいないけど・・・ 617 : ◆19vndrf8Aw [sage]:2017/12/03(日) 23 07 12.52 ID L7iZ2RQLo もしよければ、本作での皆さんにとっての好きなエピソードなんかを、参考として教えてもらいたいです 次回のストーリー作品や、アンチスレの方で短編書くときの参考にしたいです 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 23 10 51.77 ID cTfLmqqW0 アライチャンプルーとコタツのやつが好きです 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 23 13 25.80 ID 8DTCYI8J0 ストーリー的には御手洗こと真アライさんがアラボと対面するところ 後は優しくしてくれたメガネさんの子供達を駆除してく愉悦部シーン 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 23 15 34.80 ID UrthXHDS0 結局ブラウンPは感情失ったのか… 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 23 16 17.46 ID RLKVbrp40 乙です、そういうことでしたか 新スレも楽しみにしてます お気に入りエピソードは佐助と鷹さん一家のふれあいとパルコアライちゃん~さん関連です 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 23 32 48.33 ID UKoptszpo アライさんを滅ぼすということ、かな アライさんの中にも無害獣がいる!(でも、ほのかに害獣巻漂わせている)けどころさなくてはいけない・・・ 落ち葉に隠れて震えるアライちゃんや、逃げられないと悟り絶望して泣いて命乞いをするアライちゃん・・・ 肉体的に苦しめる描写もいいけど、精神的なアラ虐が好き この話は無害獣アライさんも、それらのアライさんよりももっと精神的に苦しむアライさんが見られてとても幸せだった 幸福と平穏を享受するアライさんが一瞬で絶望にたたき落とされるのは嗜好の快楽 637 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2017/12/04(月) 01 19 41.55 ID put7kzn00 個人的には段ボールアライの最後はどうなったのか気になるな。弱肉強食って言ってたけど。何はともあれ乙でした。新作楽しみにしてます。毎日展開が楽しみな作品だったので。 638 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 01 23 15.42 ID ClM/N1KY0 煙草さんも気になる 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/04(月) 20 43 30.29 ID sC+R7zIt0 603 乙! 後日談のSSのタイトルってもう決めてます? 648 : ◆19vndrf8Aw [sage]:2017/12/04(月) 20 50 34.98 ID lVL+/et9o 良かったら好きなキャラとかも聞かせてほしいです 647 まだ候補を絞れてませんが、この作品の続編と見れば一発で分かるタイトルにする予定です アライさんの脳天をスコープの照準に捉え、静かに引き金を引いた・パート1へ進む パート14へ戻る
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219 To Be Continued◆BEQBTq4Ltk 眼前の少女はボロボロであるとヒースクリフは剣を構えながら、当たり前の情報を再確認する。 誰が見ようと彼女を憐れむだろう。世間一般に言われる女子中学生の姿とはとても思えず、 真っ黒に焦げた右腕。割れた額。鮮血に染まる瞳。 それらの要素が目立っているが、実際には身体のいたるところが崩れているのだ。 立っているのもやっとであろうに。 彼女が斃れたとし、驚く人間はいない。ああ、遂にかと納得してしまうだろう。 故に、この期に及んで更に能力を行使し、己の肉体に雷光を宿らせる彼女は異質の存在だ。 ズバチイと落雷が響き、時を待たずに大気を震わせる。 前髪が浮かび上がり顕になるは割れた額。雷光の影響か傷口から更に鮮血が流れ落ちた。 たった一つの淡い希望を胸に抱き、彼女は立っている。 言い換えてしまえば、己意外の人間を抹殺すれば大切な人が帰って来る。だから、彼女は止まらない。 「その先に待つ地獄に君は耐えられるのか」 轟く雷光に掻き消されたヒースクリフの声は御坂美琴へ届かない。 彼女は先に現状を地獄と称したが、真の地獄は此処に非ず。 眼前へこれ見よがしに垂らされた餌(奇跡)を求め、彼女は振り返ることをしなかった。 少なくとも、ヒースクリフが関わっている時間でそのような素振りを見せることはなかった。 無論、知らぬ所にて過去に想いを馳せていることもあったのだろう。後悔したことも、涙を流したことも。 彼女は此処まで辿り着いた。 七十二の魂が詰め込まれた箱庭も、気付けば広く感じるようになり、残りは僅か一桁。 ゴールの接近を自覚した時、気を抜く者もいれば、後少しだと気合を入れる者もいる。 そして御坂美琴は――後者であった。 「あんたにどれだけの苦痛を与えたところで、死んだ人間は生き返らない。癪だけど一瞬で終わらせる」 発言だけを抜き取れば正義の味方として捉えられなくも無いが、彼女の立場は間違いなく悪だ。 願いを叶えるために腕を赤く染め上げ、道を踏み外した存在であるにも関わらず、ヒースクリフを相手に正論を投げる。 何故、殺し合いに巻き込まれたのか。お前さえいなければ。何故、ゲームが始まったのか。お前さえいなければ。 一度の死を与えるだけでは生温い。永遠の苦痛に身を沈めさせようかと、溢れ出る殺意を一点に押し込めたかのように、鋭い稲妻が空間を疾走。 認識なるものか。 光の速さを知覚からの行動で対処出来る人間など、それはもう人の皮を被った怪物である。 ゲームとしての調整がなされている今、御坂美琴の攻撃は何度と防がれた。だが、ヒースクリフに特別な力は残っていない。 稲妻が彼の頭を貫いてリザルトへ。虚しい達成感だけが胸を支配し、ゲームは変わらずに進行される。 ルーチンである。ゲームと称されれば、参加者同士の殺し合いはエンディングへ向かうための作業に過ぎない。 ヒースクリフを殺し、更にもう一人を殺す。それらを数回繰り返し、待ち望んだ明日を手に入れる。御坂美琴にとっては流れ作業の筈だった。 「……冗談じゃないわよ。今まで猫でも被っていたのかしら。だとしたらあんた、本当に最低」 思ったことをありのままに放り出し、稲妻を斬り裂いたヒースクリフを睨む。 彼の装備は特殊な力を持たない剣であり、盾も鎧も所詮はそれまでの武具であったと認識していた。 少なくとも稲妻を斬り裂くような力は持っていないはず。そのようなことがあれば、彼はどうして力を奮わなかったのか。 雷光は幾度なくゲームを照らし、調律者が己の快楽を優先させれば、吸血鬼が時を止め、氷の女王が弱者を蹂躙する瞬間もあった。 ヒースクリフは単なる戦闘力で見れば、強者の領域に足を踏み込んでいるとは思えなかった。 ホムンクルスとの決戦でも、エンブリヲとの総力戦に於いても、彼の力に有り難みを感じた瞬間は零に等しい。 「君は知らないだろうから、教えておこうか。私はエンブリヲに再構成された時、いらぬ優しさを受け取った」 「知ってるわよ。あいつのせいであんたは長くないし、スキルっていうインチキも消されたんでしょ」 お父様へのカウンターとして、ヒースクリフは大きな代償を支払った。 神の悪戯と云えば少しは可愛らしさも感じるが、実際には己の世界に引き籠もったナルシストの自己満足である。 「そのインチキが私に返って来ただけだ。これで少しは戦えるようになったつもりだが……試させてもらおうか」 刹那、雷光とは異なる光が世界に煌めいた。 ヒースクリフの握る剣が、盾が聖なる光を纏ったのだ。 名を神聖剣。かのゲームマスターたる茅場晶彦が持つスキルである。 「あっそ」 それがどうしたと云うのか。 欠片の興味も抱かずに、御坂美琴は静かに右腕へ雷光を集中させる。 稲妻を斬り裂こうが、力を取り戻そうが彼女には関係なく、ただやるべきことを遂行するだけ。 目の前に立ち塞がるなら、殺す。願いを叶えるための犠牲となれ。 彼女が興味を示すとすれば、ヒースクリフが力を取り戻した理由であろうが、 それさえもどうでもいいと思い、右腕から迸る紫電が空間を走り抜けるが、ご丁寧に剣閃によって掻き消され、少女の舌打ちが響いた。 ◆ 天空を彩る対の機神が消えていたことに、エドワード・エルリックと雪ノ下雪乃はタスクが勝利したのだろうと、確信したかった。 現実は甘くなく、彼の勝利を信じているのは事実であるが、最悪の可能性という小さくも揺らぐことのない行燈が心を照らす。 相手であるエンブリヲは強敵だ。調律者を名乗り、神と同系統の本質を司る男は間違いなく、人間の枠を超えた存在である。 下衆で、傲慢で、悪趣味で、屑であるが、それらを言い換えれば、我を貫き通す確固たる意志を持つ男。 タスクが勝利を掴むことを大前提にしても、無傷という訳にはいかない。それらは敵対した自分達が一番わかっていること。 「俺達は、やれることをやるだけだ。それで必ず……帰るぞ」 雷光の轟いた地点を目指している間、気付かぬ内に口数が減っていた。 必要以上に重くなった空気を打ち払うべく、微笑を浮かべエドワード・エルリックは再確認の意味も添えて拳を握る。 「タスクはエンブリヲを倒すって言った。黒も、アンバーも……だから」 振り向けば今にも倒れそうな程に顔の悪い雪ノ下雪乃が下を向いていた。 騎士の消えた空、仲間を残した地獄門が彼女の心を締め付け、地上を照らす雷光が不吉な予感となり、隙間を埋めてしまう。 大切な仲間を遠くから感じられず、それでいて、敵対者と思われる能力だけは視覚と聴覚がその存在を抑えている。 はっきりと言えば不公平だ。この世に神がいるならば、相当に悪趣味な存在であろう――エンブリヲのように。 自然と足が重くなり、顔も空を見上げず、足先だけを見つめていた。 アヌビス神が何か言葉を掛けようと模索するも、生憎と嘗ての所有者達は雪ノ下雪乃と別系統の人種であり、浮かぶ訳がない。 彼女の少し先を歩く猫だけが振り向いたエドワード・エルリックに気付き、足を止めた。 「そうだな。黒から頼まれただろ、御坂美琴を止めろって」 刹那、背後――地獄門から嫌な予感がしたのか、猫は言葉を詰まらせる。 言霊が駆け抜けたような、肌の表面を薄ら寒い風が触り、全身の毛が逆立った。 エドワード・エルリックが心配するようにしゃがみ込み、猫の顔を覗こうとするも、前足で払う。 「心配するな。俺も、あいつも……大丈夫だ」 聞かれてもいない事を口走り、自分も自分とて知らぬ間に追い込まれている状況に猫は溜息を吐く。 冷静に分析せずとも、地獄門に残った彼と彼女の勝率は――やれやれと瞳を閉じる。 契約者が合理的とは誰の言葉だったか。猫が出来ることは彼等の勝利を願うことだけ。 ならばエドワード・エルリック達に付き添い、御坂美琴を止めるための礎となろう。黒に託された願いでもある。 自分の役目を改めて明確にし、そんな彼の言葉に続くよう、雪ノ下雪乃は顔を上げた。 「言う必要も無いと思っていたけれど、私も大丈夫だから。 たとえばパニック障害になっているだとか、死者の怨念に足を止められている訳でもないから」 キッパリと。 強い決意を秘めた瞳に、凛とした顔付き。 麗しい黒髪が風に靡き、昇り始めた月が彼女の握るアヌビス神を輝かせる。 「……気にかけてくれたのは、ありが……とう。でも、本当に大丈夫だから、気にしないで。 それよりも自分のことを考えたらどうかしら。どうも貴方は彼女――御坂美琴と特別な因縁があるように見えるけれど?」 「……よくそんなスラスラと出るな」 「何か言ったかしら」 「――って、エドワードが言ってたぞ」 「ち、違うよなあ!?」 反射的に大声を上げてしまい、咄嗟に機械鎧の腕で口を覆うも遅い。 緊迫した戦況の中で軽はずみな行動をしてしまったと、顔を赤らめるエドワード・エルリックに猫は呆れたように小言を呟く。 「変な部分で真面目だな。近くには誰もいないだろ」 「う、うるせえなあ」 遠くで轟く雷光。 仕掛け人は御坂美琴か足立透か。 恐らく、前者であろう。根拠や状況を裏付ける情報はない。 ただ、確信だけがあった。それに足立透は佐倉杏子が止めてくれると、エドワード・エルリックは信じている。 無論、彼女達が鉢合わせていることすら、彼は知らない。だが、彼女ならば――そう願わずにいられない。 彼が、雪ノ下雪乃が、猫が黒とアンバーを信じているように。 佐倉杏子とタスクの勝利もまた、心の底から信じている。その想いに偽りなどあるものか。 残った黒が負けるのか。タスクがエンブリヲに殺されるのか。 そんな未来は否定する。ありとあらゆる可能性の集合体を引っ括めIFと呼ばれるが、知ったことじゃない。 両頬へキツけの一発をかまし、エドワード・エルリックは猫へ視線を落とし、次に雪ノ下雪乃の瞳を見つめ、 「……これまで大変ことが沢山あったと思う。ホムンクルスとの決戦やエンブリヲの叛逆もな。 それに、俺と合流するまでにも、辛いことだって……別れが沢山あったと思う」 月を見上げると、まるで自分達を高い所から嘲笑っているようだ。 機械鎧の腕を伸ばし、月を掌に収めるように拳を握ると、月光に負けぬ笑顔で彼は言い切った。 「絶対に勝つぞ。俺達で御坂美琴を止めるんだ――このふざけた殺し合いを止めるのは、生きている俺達にしか出来ないんだ」 ――それが、あいつらに出来る、唯一の恩返しだから。 「突き抜け過ぎて、逆に驚かないぐらいの臭い台詞ね。その手の発言をする人にいつも思うのだけれど、恥ずかしくないのかしら?」 不安を取り除いたつもりだったが、雪ノ下雪乃は相も変わらずに言葉を投げ付ける。 猫の言い分では無いが、よくも言葉を紡げるものだ思う一方、静かに震えている彼女の身体をエドワード・エルリックは見逃さない。 恐怖の感情は忘却の彼方へ追い遣ろうとも、心の空白を埋め尽くす一種の麻薬である。 雪ノ下雪乃は何度も死線を潜り抜けた。度胸も経験も殺し合いを通じて、彼女の大きな糧となったであろう。 だが、彼女自身が強くなった結果には至らず。出会いと別れを繰り返し、山場を超えたのも事実だ。 しかし、彼女の世界は優しさに溢れ過ぎていた。無論、彼女からすれば、優しさなど偽善と見せ掛けの繁栄だっただろう。 多くの世界か混じり合った末、血と硝煙の薫りに遠ざかる場所に身を於いていた彼女にとって、殺し合いという悪夢は劇薬を超えた地獄と同義。 生き残るために銃を、刀を握った。 人が死ぬ瞬間を間近で見てしまった。 大切な人がこの世を去る瞬間――脳裏に焼き付いた光景が今でも胸を埋め尽くす。 多くの仲間が先に旅立ったが、未だに死の概念に怯える自分が、雪ノ下雪乃は好きになれなかった。 「――行くぞ。タスクだって言ってただろ、喫茶店をやるって。そのために、俺は……俺達はまだ止まれない」 ふと肩に置かれた掌の暖かさが、あれだけ震えていた雪ノ下雪乃の身体を一瞬に穏やかにさせる。 顔を上げれば、平均よりも身長の低い男が闇をも消し去るような笑顔を浮かべていた。 強い人――彼女は本心からそう思い、ならば自分は彼の足を引っ張るようなことは許されないと改めて決意を固める。 塵を落とすように彼の腕を払うと、遥か先に轟く雷光目掛け、彼女は歩き出す。 途中、猫が此方を見ているも一瞬の視線すらくれてやらず、やがて背中に集中を感じると、踵を返した。 「私達はやれることをやるだけ、だったかしら」 風によって膨れ上がる黒髪。 雪ノ下雪乃の瞳は揺らぐこと無く、身体に若干の震えが残るも、彼女は前へ進む。 「強いな」 「ああ、だから俺は絶対にあいつを守らなきゃならねえ」 靴裏と砂利の擦れる音がエドワード・エルリックの言葉を掻き消した。 雪ノ下雪乃の耳に届けば、また何を言われるか分からない。そう思うと、自然に苦笑が浮かぶ。 そしてその表情を曇らすかの如く、雷鳴が轟いた。 一帯を埋め尽くすような放出に非ず、世界に亀裂を生む稲妻――あの女が、この先で待っている。 ◆ 御坂美琴の右腕から放たれた雷光が大地毎削り上げ、ヒースクリフを殺さんと突き進む。 砂塵が舞う中、彼を距離を取ること無く素早い剣の一振りにより、雷光は真っ二つに斬り裂かれ、風に消えた。 「その力を最初から披露していたら、こんなことにはならなかったんじゃないの。 雷を正面から斬れる力を持っていながら、あんたは自分から動こうとしなかった」 数十分の間に延々と繰り返される応酬に御坂美琴の息が上り始め、彼女は休憩がてらに言葉を投げる。 黙って仁王立ちでもしていれば、生命の保証は無い。 ふと視線を落とせば壊死した右腕から赤よりも黒の割合が強い鮮血が吹き出ていた。 既に限界を超えているが、無理の果てに設定されている最後の壁に激突寸前であり、この右腕が日常生活に適応することはないだろう。 それも残り数人を殺せば終わる。無理をするのも、無茶をするのも、自分を偽るのも、全てが終わる。 「もっと救えた人がいたでしょ。私が知る限りでも、あの明るくて人懐っこい女の子だって」 「……誰だろうか。無垢で純粋な年頃の子は数名の心当たりがあってね」 「ふざけんじゃないわよ」 彼女の左腕に雷光が灯り、その光景にヒースクリフは瞳を細ませ、微笑を浮かべた。 「無理は感心しないな。仮に私を殺したとしても、他の参加者相手に君の身体は保つのかな」 「あんたから挑発しといてよく言うわ……本当に、碌でもない人間なのね――ッ!」 雷光が槍を型取り、彼女は狙いを定めることなくぶっきら棒に投擲。 放たれた雷撃の槍はヒースクリフへ吸い込まれるも、彼は盾で軽く打ち払うと、誰も居ない後方へ瞳を流した。 「……そうか」 ヒースクリフの呟きに対し、御坂美琴は何に対しての小言なのか脳内の情報を洗う。 しかし、たったの一言に解答を見付けるのも馬鹿馬鹿しくなり、早々に思考を切り上げた途端、彼の身体にノイズが疾走った。 「私の身体が保つのかって言ってたけど、他人の心配をしている余裕があんたにあるわけ?」 調律者エンブリヲによる再構成。エドワード・エルリックの人体錬成による弊害。 ヒースクリフ――茅場晶彦の身体は他の参加者に比べ何重にも外部からの干渉を受けている。 此度の殺戮の黒幕を担う一人であるが、彼は人間である。ホムンクルスでも無ければ、契約者にも含まれず。 魔法だの超能力だのエンブリヲだのと、世界の枠組みすら異なる能力は異端を極める劇薬である。 それらを何度も己の身体に投与されているとすれば、限界や崩壊が化学反応となって具現化することに不思議は無いだろう。 「黒……君は君のやるべきことを成し遂げたかどうか、後でゆっくりと聞こうじゃないか」 「は?」 「なんでもないさ。君の言うとおり、他人の心配をしている余裕はなさそうだ」 後方から――地獄門の方角へ背を向け、ヒースクリフは剣を握る腕に力を込める。 相も変わらず周囲に僅かながら雷光を放出させている御坂美琴へ攻撃を加えるには、距離が問題である。 授けられたスキルを用い、彼女の雷撃を全て無力化しているものの、決定打はおろか一太刀すら浴びせられていない。 これでは彼女の身体に傷を付ける前に、自分の身体が先に消滅するだろう。其れは彼にも悪い――さて、どうするかと、ヒースクリフは改めて御坂美琴を視界に収めた。 右の瞳に鮮血が混じり、右腕は炭の如き黒さ、その他損傷は数を上げればキリがない。 雷光が迸る度に彼女自身の身体が照らされるため、肌に浮かぶ痛々しい痕が余計に目立つ。 無論、情など湧くはずも無く、ヒースクリフは御坂美琴の生命を葬ることを考える。 黒は予測であるが、消えただろう。 地獄門からの反応がノイズとなって身体へ干渉し、箱庭世界の崩壊を更に早めた。 彼の背中を追うには、まだ早い。傍観者を気取るつもりであったが、調律者が参加者を一箇所に集めた瞬間から全てが狂ったようだ。 別の方角で轟いていた雷鳴は何時の間にか消え去っており、つまりは足立透に何かしらの終わりが訪れたのだろう。 消去法で考えれば、彼の相手は竜の魔法少女――佐倉杏子しかあるまい。 道化師は彼女を制したのか。仮面を割られたのか。何にせよ数が減ったことに変わりはない。 残るエドワード・エルリックと雪ノ下雪乃はまだ此方に辿り着いていない。 ならばヒースクリフに出来ることは唯一つ、御坂美琴の相手である。しかし、彼は改心などしておらず。 此度の責任など取るつもりもなければ、未だにゲームの結末を見届けたいと思っている節もある。 やはり、エンブリヲが全てを狂わしたのだ。彼が余計な行動を起こさなければヒースクリフはアインクラッドで独り消滅していた。 彼が表舞台に再び引き摺り上げられたこと。その後にアンバーらと再接触したこと。そして失われた能力を取り戻したこと。 ――全く、本当に規格外の力を持っている。腐っていれど、世界の神を司るだけのことはある。 何度目になるかも分からない御坂美琴の雷撃を盾で打ち払い、ヒースクリフは大地を蹴り上げる。 消耗戦も悪くないが、自分自身にタイムリミットが設けられている状況を考えれば攻めに出るのも悪くない。 最も御坂美琴が悠長に戦闘を長引かせるなどあるものか。彼女からすれば一瞬で相手を消し炭するのが理想だ。 いつ何時、殺されてもおかしくない。ならば――絶命する前に一太刀を浴びさせようか。 「……出力を雑に絞った雷撃じゃ斬られたり払われたりで届かない。 じゃあ、どうするかなんて決まってる。鋭く絞るか、圧倒的な力で消し去るか――それとも」 ふと風が吹き去り、右腕から何も感じないことに気付いた御坂美琴の瞳が刹那、暗くなる。 ああ、ここまで壊れていたのだと、今更になって彼女は筋肉繊維を電気で刺激しなければ全く動かない右腕に視線を落とす。 酷使しなければ生き残れなかった。限界を超えなければタスクを空へ翔ばすことも叶わず、全ての生存者はエンブリヲに蹂躙されていただろう。 何処で道を間違ったのかなど、彼女は足を止めない。唯、目に入ってしまった自分の身体の一部とは思えない存在に、一瞬だけ脳の処理が追い付かなかった。 ――こんな私が願いを叶えてもいいのかな……なんて台詞、死んでも吐かないわよ。 顔を上げれば此方に迫るヒースクリフに合わせ、彼女も大地を蹴り上げた。 本人しか気付けない程度に電流を身体へ走らせ、筋肉を刺激することにより、彼女は刹那の間、加速する。 能力を行使する度に身体の到處から機械がショートしたような音が聞こえてくるも、御坂美琴は止まらない。 諦める瞬間は之まで何度もあった。道を振り返る時間だって、元の鞘に納まる時間も少なくは無かった。 それら全てを跳ね除け、たった一つの淡い希望を願い続けたのだ。 最期の一人となって、願いを叶える。 彼女は最初から一貫していた。 アカメと出会い、槙島聖護に遭遇し、真の始まりは前川みくを殺害した時から。 戦闘になったことも、諭されたことも所詮は結果論である。明確な殺人に手を染めた瞬間に、彼女の道は決まってしまった。 「チィ! そんな力があるならもう少しは救えたんじゃないの? 弱い人とか、戦えない人とか!」 牽制代わりに絞り放った雷の針は簡単に掻き消された。 ヒースクリフもまた、己の勢いを殺さず剣を振るい、着実と距離を詰める。 この男、本当に力を隠していたならば、最悪の最低を超えた大狸であると御坂美琴は嫌悪感を隠しきれない。 彼が真剣に戦っていれば、ホムンクルス戦で誰も苦労していなかっただろう。自分も四肢を失う失態を犯すことはなかったかも知れない。 エンブリヲとの激戦でも同じことである。調律者は彼を戦力外と称し、御坂美琴も同じであった。 ヒースクリフ――茅場晶彦は此度の殺戮の関係者でありながら、主催者の椅子から弾き落とされた哀れな男と認識していたのだ。 それが今になれば、学園都市が誇る超能力者の第三位の雷撃を全て無効化しているなど、誰が信じるものか。 先に御坂美琴はヒースクリフが本気を出していれば救える生命があったと問うた。 音ノ木坂学院に於ける騒動の際、彼女は嘗て自分とキング・ブラッドレイを襲撃した一人の少女と再開した。 道化師が必死に学院内を逃げ回り、その背中を一人の学生が追いかけ、一瞬の静けさに包まれた廊下に彼女が現れた。 何処か悟ったような表情で、それも笑みが灯っていた。曰く、鳴上悠なる者が信じてくれた――その者は御坂美琴にとって眩しすぎた。 とても自分とキング・ブラッドレイを襲った少女と同一人物とは思えず、殺めるその瞬間まで瞳を逸らすことは無かった。 彼女に何があったのかは知らないが、仲間を見付けることが出来たのだろう。踏み外した道を修正したに違いない。 己の罪と向き合い、罰を受ける道を選択したのだろう。 最期の台詞すら儚い。とある少女二人に対する謝罪だった。 其の言葉を御坂美琴は自分の口から伝えろと告げ、電流が少女――島村卯月の脳天に迸った。 その後、学院が更なる騒動の渦中に陥ったのは言うまでも無いが、その際に一人の少女がこの世を去った。 後に情報交換で知ったが故、御坂美琴は実際に目にしていないが、どうも釈然としないのだ。 本田未央。彼女の死を止めることが出来たのでは無いだろうか。 エンブリヲの力ならば応急処置程度など造作も無い。血流等を操った襲撃者に対し、本気を出したヒースクリフならば遅れを取ることは無いだろう。 彼女は彼等に捨てられた可能性がある。口にすればエドワード・エルリックを始めとする一部の正義の味方気取りと口論になるため、御坂美琴は今まで胸に閉じ込めていた。 本当に下郎の二人が彼女を見捨てたのであれば、腐った話であろう。 しかし、あの襲撃者に対し学院に残っていた生存者が窮地に陥ったのは確かである。 ヒースクリフ自身に生命の危機が及んでいたのだが、彼は平常運転だった。故に、あの瞬間はまだ、能力を制限されていたのでは無いだろうか。 きっかけが在るとすれば、エンブリヲに再構成された瞬間が第一候補であるが、彼は力を出していない。 人造生命体との決戦も、調律者との争いにも彼はスキルの行使など一切していない。 ならば、その後に何か――己の枷を外す出来事があったのだろう。 ヒステリカの猛攻により、生存者が吹き飛ばされ、自分と対面した彼は力の影を見せなかった。 故にこの瞬間はまだ覚醒していないと仮定し、ならば再び別れた後に何かがあったのだろう。 そして再び対面した時、彼は己に科せられた天元を突破し、覚醒者として最期の表舞台に上がった――そう、制限を超越したのだ。 「本当にデタラメな奴ね。あんたみたいに急に強くなった男は一人しか知らない」 「さて……そのような参加者が居たかな?」 「白々しいわよ、何をされたかは知らないけど、悪趣味な下衆神のお零れでドヤ顔するのは気持ちいいかしら……ッ!?」 御坂美琴は左腕に溜めた雷光を地上へ放ち、一種の爆発となった現象の力を借り空へ跳ぶ。 「エンブリヲは言った――どうしてお前なのか、と。あいつは最期まで他人の掌の上で踊ることを嫌っていた。 故にタスクとの勝負に破れ、己の死期を悟った奴は許せなかったのだよ。最期まで憎んでいた私のことや、願いを叶えようとする君のことが」 ヒースクリフは静かに剣を構える。 「奴は私に力を授けた。一部の生存者のことを見直してはいたからな……エドワード・エルリックが良い例だ。奴隷とは云え、新世界に連れて行くとまで言ったのだからな。 だが、奴とタスクは決して交わらない。我々との衝突は必然だったんだ。最期の最期に奴は誰でもいいからこの殺し合いを破壊するべく、誰かに力を授けようとした」 ――どうして貴様なのだ。 調律者は最期まで憎んでいた。 己を騙し、出し抜き、苔にした茅場晶彦を。 彼の首を刎ね落とさんと、本田未央を犠牲にしてまで執着してしまった。 ヴィルキスに撃墜され、それでも神は死ななかった。諦めきれなかったのだ。 下等生物の代表種であるホムンクルスに不覚を取り、唯の一端の人間に遅れを取った自分がこのまま終わってたまるかと。 此度のゲームが他者の願いを成就させる茶番に辿り着くなど、不愉快の極みであった。 故に覇道を突き進む御坂美琴と足立透を止める必要があった。生命の灯火が消える調律者は最初に出会った生存者に力を授けるつもりだった。 それがよりにもよって最も憎んでいた茅場晶彦とは、流石の調律者も想像していなかったであろう。 最期の最期まで彼は神としての面目を潰した人間を恨み続けた。最も茅場晶彦は再構成の際に生命のリミットを設定している。 願わくば彼が死ぬ瞬間をこの目で収めたかった――エンブリヲはこの世を去る瞬間まで一人の人間らしい感情に囚われていた。 「あんたに力を授けることになるなんて、流石に同情するわ……でもお似合いの最期よ」 「全くだ。奴は多くの運命を変えてしまった、それも悪い方向にな。エンブリヲだけが望んだ最期に至るなど、神が許さないさ」 「……いちいち触るような言い方してるけど、それ全部あんたにも当て嵌まるから。どんだけ自分を棚に上げてんのよ」 「君の言い分もご尤もだ。だが、完全に当て嵌まる人物が私の他にいると思うのだが……君はどう思う?」 「はいはい――そうですかァッ!!」 自分も同種だと御坂美琴は重々承知している。己が嫌に成る程に。 多くの存在の運命を変え、自分だけが最期に願いを叶えようしているのだ。 そんなものは分かっていると、怒号を放ち、天に掲げた左腕に雷光を収束させる。 此度の攻防に於いて、ヒースクリフは一つの過ちを犯している。 彼は空へ跳んだ御坂美琴の着地を狙おうと、剣は構えた。だが、彼女は降りて来ない。 周囲に電磁波を発生させることにより空中に座標を固定、飛び込むような形で静止し、天高く翳すは左腕。 「私がもう、光を浴びれない世界の住人に片足を突っ込んだことは分かってる! 片足どころじゃない、全身よ! 自分の願いを叶えるためにどれだけの生命を奪ったかなんて考えたくない、でも……それらに背を向けて生きれる程、器用じゃないのよ!」 雷光が輝き、雷哮が冴え渡る。 ミョルニルにも劣らぬ稲妻の収束体が、御坂美琴の怒りと共に振るわれた。 ヒースクリフのスキルは強力である。アインクラッド内に於いても、ゲームマスターたる彼の地位は絶対だった。 だが、全てを葬り去るような、謂わば神話上の神の一撃に部類される災害を受け止められるものか。 雷槌を斬り裂くにも、触れた瞬間に剣は砕け、盾もまた無に還る。 ノイズが走り、構成もまま為らぬ身体に測定不能の雷撃が駆け巡り、彼の膝が折れた。 圧倒的な一撃である。小手先の技術も、概念すらも消し去り、無慈悲なまでの雷槌。 雷光に包まれる中、天を見上げたヒースクリフの瞳に映るは、壊死した右腕を振り降ろす御坂美琴。 「あんたには一撃じゃ生温い! 殺した人達のことを忘れることが出来たらどれだけ幸せなんだろうって何度も思った! だけど、そんなこと出来る訳無いじゃない! なら私は一生背負って生きてやる、そうすることしか出来ないんだから。だからね――本当は嫌だけど、あんたのことだって、忘れないでいてあげるわよォッ!!」 対の雷槌が此の刹那に炸裂し、周囲は世界を斬り裂く雷鳴に包まれた。 地獄門の異変を掻き消す程の稲妻が世界を焼き殺し、其の中心に立つヒースクリフが無事で或るものか。 「君は――この世全ての悪と対面して尚、その決意を貫き通せるのか。一足先に、天で期待させてもらおう」 ◆ 僅かに残っていた草木を焼き殺し、焦土と為った大地の上で御坂美琴は空を見上げていた。周囲には何故か引っ掻き音が響き渡る。 今にも堕ちて来そうに錯覚してしまう偽りの月を眺めながら、だらしなくぶら下がった右腕が揺れている。 ヒースクリフへの追い打ちに右腕を使ってしまったが、まだ身体に付いている。本人からすれば、千切れると踏んでいたのだ。 残っていたのは幸運である。元の世界へ帰還すれば、名医であると噂されているカエル顔の男にでも手術を頼もう。 戦闘に使えずとも、物を持ったり、誰かに触れる事が出来るような、日常へのシルシとして復活してもらおう。 そのためにも、もう少し。 残り数名を殺害すれば、帰れる。 「黙って死んでおけばよかったのに。それもインチキ?」 月から視線を逸し、辛うじて元の形を留めている大地へ。 嘗てエドワード・エルリックが描いた錬成陣の上に一つの肉体が転がっていた。 御坂美琴からすれば死体同然であるが、彼は生きていた。 「食い縛りかも知れないな」 始まりの男、ヒースクリフ。 彼は対の雷槌を受けて尚、生きていた。 無論、死亡するに申し分の無い一撃であることは言わずもがな。 彼と――キリト。二人の参加者は体力制だった。一定の範囲を超えなければ、彼等は喩え四肢を切断されようと、出血多量如きで死を迎えない。 胴より下が失われ、ヒースクリフは仰向けで夜空を見上げるしか、することが無かった。 残りの上半身も消滅が始まり、彼は剣の破片を握り、錬成陣に新たな術式を刻む。 「――ッ、本当にあんたって奴は」 往生際の悪い男に御坂美琴は左腕を振るう。 雑な軌道で放たれた雷光がヒースクリフ周辺に着弾し、周囲が爆ぜる。 「願わくば最期まで行く末を見届けたかったが、叶わぬか――それも、仕方あるまいな」 宙を舞うヒースクリフは孤独に立つ彼女を見ていた。 狂ったことを自覚しながら、己は狂っている中でもマシな部類だと言い聞かせる哀れな敗北者を。 仮に彼女が全てを殺害したとして、最期に待ち受ける存在を前に、心を保てるのだろうか。 一人の人間が、それも多感なる時期の少女がどのような結末を迎えるのか、此の目で確かめられないことが残念だと声に漏らす。 雷爆による衝撃と調律者によって定められた生命の限界により、ヒースクリフの身体は粒子となって無に還る。 此度のゲームの運営者にして唯一の参加者が、其の生命に幕を下ろす。 彼が最期に目にするは、二人の希望だった。ゲームを通じてドラマを生む、どうしようもないお人好し。 「本当に残念だ。此処からが、本番だと……言うのに」 ほんの小さな風が吹いた。 光る粒子を地平線まで運び、始まりの男が世界を去る。 そして、彼の死を以て、箱庭世界に於ける生存者は正真正銘、生存者のみとなった。 「随分と遅い到着ね。あと三分くらい早かったら、救えたかも知れないのに。 まあ、あいつを救いたいと思う奴なんてあんたぐらいしかいないと思うけど――エドワード」 鋼の錬金術師エドワード・エルリック。アヌビス神と共に立つ雪ノ下雪乃。 彼等が到着し、ヒースクリフの消滅を見届け、御坂美琴は静かに呟いた。 まるで目の前の塵が風に飛ばされたような、注目はすれど、興味を抱かないような冷めた瞳だった。 「お前……やりやがったな」 エドワード・エルリックの代名詞とも呼べる機械鎧の拳が力強く握り込まれた。 「あんな奴、死んでも困らないでしょ。あいつが居なければ、こんなことにはならなかった」 「その通りだ。だけどよ、ヒースクリフが居なければ、此処まで俺達は辿り着けなかった」 御坂美琴の言葉を一蹴し、彼はまくし立てる。 この世に失っていい生命などあるものか、意味のない人生などあるものか。 「あいつの知識に俺達は何度だって助けられた。それはエンブリヲだって同じだ、勿論あいつらを許せなんて言うつもりはねえ。 でもな、目の前に救える生命があるなら、どうして手を伸ばさない。なあ、御坂。俺は嫌なんだ……これ以上、誰かが死ぬのは」 「弱い言葉は聞いててイライラする」 「絵空事を言っている自覚はある。だけどな――甘い事を言っているつもりはねえよ」 何度、聞いただろうか。 肉と金属の合わせ音――鋼の錬金術師が掌を合わせた。 蒼白の錬成光が彼を包み、気付けば機械鎧の腕に刃が付与されていた。 同時に雪ノ下雪乃もアヌビス神を構える。 肩で呼吸を整え、弱い心に蓋をし、この瞬間だけは刀身に全てを委ねる。 『これが最期の戦いかもしれねえ。少しの無茶は許せよな』 「最期だからって気を遣うなら、最初からそうしてほしいものね。それと、無茶している自覚はこれまであったのかしら。だとしたら、それは少し驚きね」 『……すいません』 「甘い事は言わない、か。いいわね、それ。 だったら不意打ちが卑怯だとか、口上の途中に攻めるなんて常識知らずだとか……言いっこ無しだから」 御坂美琴の焦げた右腕が振るわれた事に気付いたのは全てが終わった後だった。 鼓膜をも斬り裂くように、大地を抉り、空を割き、世界を揺るがす容赦のない稲妻が地上を迸る。 誰もが反応出来ず、あまりの不意打ちにアヌビス神さえもが身体を撚る程度にしか動けない事態となり―― →
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【登録タグ C ラマーズP 曲 重音テト】 作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP 編曲:ラマーズP 唄:重音テト 曲紹介 初出は初音ミクが歌うオリジナル曲。詳しくはこちら 歌詞 無邪気な幼いあの頃のまま 振りかえながら歩き出そう 憧れてた夢 こぼれるほど見つけては失う 両親(おや)からもらった 「やさしさ」という「あたたかさ」 忘れなかった…… 僕らはそれぞれの場所へ向かう 戻れなくて立ち止まったまま そして大人になって「むなしさ」に気づく いつのまにか 歩き出してみると 「つらさ」だけの 何も残らない rewrite あの頃のように煌いた未来 現在(いま)ならば届かせる 夢の続きもう一度叶えさせて 一人部屋の中 語りつくした思い出を流した それでも片隅に 古ぼけた約束は 捨てきれなかった…… 大きな手のひら見つめる先に 願いをこめた子供の僕が 送るわくわくな気持ちここにあるはず 「そんなわけない……」 通り過ぎた日々を 伝うことなく 闇に消えてゆく forever 手遅れな希望絡みつくように 離れないいつまでも あの頃に戻りたいと呟きながら ああ 複雑な事ばかり抱えるのに慣れた 歩き出してみると 「つらさ」だけの 何も残らない rewrite あの頃のように煌いた未来 現在(いま)ならば届かせる 光集めて 空へ羽ばたこう 僕が描きだす story 明日が怖くても明後日があるから 「さよなら」は言わないよ また会える彼日まで 歩き出そう コメント 名前 コメント
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【登録タグ C NexTone管理曲 UTAU VOCALOID ラマーズP 初音ミク 巡音ルカ 曲 曲英 重音テト 鏡音リン 鏡音レン】 shortver. fullver. 作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP 編曲:ラマーズP 唄:初音ミク、鏡音リン・鏡音レン(リン・レン版)、重音テト(テト版)、巡音ルカ(ルカ版) 曲紹介 作者曰く「大人になってつらい事に耐えれない人のための歌なんだと思う」 リン・レン版は、リンが「ミク先輩、ちょっと曲借りるwww」とオケを借りてきた曲のため、歌詞が異なる。テトとルカはミクのShort Ver.。 早速ルカに歌わせてみました。ラマーズPいわく「かなり使いやすい」とのこと。 歌詞(ミク、テト、ルカ版) 無邪気な幼いあの頃のまま 振りかえながら歩き出そう 憧れてた夢 こぼれるほど見つけては失う 両親(おや)からもらった 「やさしさ」という「あたたかさ」 忘れなかった…… 僕らはそれぞれの場所へ向かう 戻れなくて立ち止まったまま そして大人になって「むなしさ」に気づく いつのまにか 歩き出してみると 「つらさ」だけの 何も残らない rewrite あの頃のように煌いた未来 現在(いま)ならば届かせる 夢の続きもう一度叶えさせて (shortver.はここまで。) 一人部屋の中 語りつくした思い出を流した それでも片隅に 古ぼけた約束は 捨てきれなかった…… 大きな手のひら見つめる先に 願いをこめた子供の僕が 送るわくわくな気持ちここにあるはず 「そんなわけない……」 通り過ぎた日々を 伝うことなく 闇に消えてゆく forever 手遅れな希望絡みつくように 離れないいつまでも あの頃に戻りたいと呟きながら ああ 複雑な事ばかり抱えるのに慣れた 歩き出してみると 「つらさ」だけの 何も残らない rewrite あの頃のように煌いた未来 現在(いま)ならば届かせる 光集めて 空へ羽ばたこう 僕が描きだす story 明日が怖くても明後日があるから 「さよなら」は言わないよ また会える彼日まで 歩き出そう 歌詞(リン・レン版) あなたがこの光を私に照らす 記憶に刻んで歩き出す 憧れてた夢 ただひとつだけにこだわり続けた きっと私である理由 君がくれたこの小さな宝物は大切に 俺が胸の中 しまってやるから おまえは光の方へ羽ばたけ あなたがこの光を私に照らす 誰の目に焼き付けるかな…… そりゃ決まってんだろ 世界中のみんなの心の深くに 俺らがいるという記憶を刻んで 歩き出せないよ あなたがそばにいなくて涙止まらない 照らすだけなんかじゃ切なくて rewrite だけど 近くにいても触れられないから 照らすことしかできないけれど おまえの中でずっと生き続ける だから前を向いて 笑顔で歩き出せええええええええ(ry コメント ラスサビ感動? -- ちょめ (2010-03-23 23 48 57) この曲があなたとの出会いでした。いつまでも大好きです。 -- 名無しさん (2020-09-29 09 44 05) 名前 コメント
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219 ← 「ゆ、雪乃……? それに猫も……?」 エドワード・エルリックが全てに気付いた時、彼の隣には表面が焦土となった大地だけだった。 「あんた、知ってる? 人間ってのはね、誰もが劇的に死ぬ訳じゃないのよ。私も感覚が麻痺してたんだけどね。 タスクとエンブリヲのように激戦の果てに誰もが死ねる訳じゃないの。あの赤い女の子だって、どうしようもない足立だって、それに……黒、だっけ。 あいつらもどんな死を遂げたかなんて分からない。分かりたくもないわね……興味が無いって話。でも、あんたは気になるでしょ? だったらあの世で聞きなさいよ」 心が感じるよりも先に、脳が情報を整理するよりも早くに、彼は大地を駆けた。 疲労が溜まり、今も悲鳴を上げる身体に一切気に掛ける事無く、距離を詰め機械鎧の腕を振り上げる。 「御坂ァ!」 「なによ、当たり前のことをしただけでしょ!」 御坂美琴は壊死した右腕に砂鉄を纏わせ、定番の筋肉を刺激させ、振り下ろされた刃を防ぐ。 「そんなに願いを叶えたいのか、目を覚ませ!」 「そればっか……目を覚ますのはあんたらの方でしょ」 最年少の国家錬金術師・鋼の錬金術師と超能力者・超電磁砲。 共に幼いながら類稀なる才能を持つ存在であるが、体術は我流に近い。 泥臭く、教科書に載らない応酬が繰り広げられる。 「最期の一人になれば願いが叶う、ならそれに従えばいいじゃない」 「誰かを犠牲にしてまで、自分の願いを叶える奴があるか!」 「そんなの――聞き飽きたわよッ!!」 御坂美琴は後退し、怒号と共に雷撃を放出。 彼女の眼前から迫る一撃にエドワード・エルリックは小石群を拾い上げ、纏めて錬成し一枚の板を作り出す。 雷撃と衝突し、小規模な爆発が発生。間近に立った彼は煽りを受け大地を転がってしまう。 立ち上がる瞬間、更に稲妻が襲来して来たため、慌てて転がり、回避する。 「黙って死ねばいいのに。あんたもあの子の後を仲良く追いなさいよ」 「死んでねえ……あいつは、死んじゃいない」 「……馬鹿ね」 立ち上がったエドワード・エルリックを見つめる御坂美琴の瞳は冷めたものだった。 何度でも立ち上がり、叶いもしない夢を追い続け、その身を犠牲にしてでも明日を目指すその姿が嫌いだった。 「現実を見なさいよ。どうせ、みんなもう死んでるのよ。少なくともタスク、エンブリヲ……それとヒースクリフ。あいつらは死んだ。 だったら残りの生存者は片手の指で足りる。私とあんた、それに黒ぐらいよ、可能性があるのは……佐倉杏子か足立透だっけ? どっちかは生きているかもしれないけど」 どんな困難にも立ち向かい、傷付いても何度だって立ち上がる。 「せっかく充電したのに殆ど残ってないの。最期までヒースクリフの掌の上で踊らされていたのが本当に腹立つ。 それに、あんたがもう少し早く来ていれば、私だって余計なことを言わずに済んだし、電気の消耗だって軽くなってた」 正義の味方めいた姿に、頭の中にノイズが走る。 本来ならきっと、自分もそちら側の人間だっただろうに。 「それでも此方に来てくれたことは助かったわ。探す手間が省けたしね。この世界だってヒースクリフみたくノイズが疾走っていつ消滅するかわからないし。 あんたを殺して、まだ生きている他の連中も殺す。そうすれば私は……聖杯? によって願いを叶える訳。さながらパーシヴァルって言ったところかしら」 その姿は何処かあいつを連想させるから。 強いのか弱いのか分からない、それでいて他人のために何度だって立ち上がるあの男に。 「もういいでしょ。立ち上がらなくても、誰も怒らないのよ。無理に戦う必要も無い。 私が最期の一人になってゲームオーバー。願いを叶えてハッピーエンド。それが正真正銘のオールラスト。それでいいじゃない」 「……ことは」 「……なによ」 「言いたいことは、それだけか」 血を吐いても。骨を折っても。心が折れない限り、立ち上がる。 その姿がツンツン頭のあいつに似ていて、だから私はあんたが嫌いなのよ。 忘れたくても忘れられない。でも、心の迷いは死に繋がるから、今だけは忘れたい。 それなのに、あんたを見る度に思い出して、あんたと会話する度にイライラするから。 「お前がどれだけ言葉を並べようと、俺は変わらない」 だから、本当に。 「俺はお前を止める。このまま黙って優勝なんて、俺が絶対にさせねえ」 嫌いなのよ。 ◆ 雪ノ下雪乃が目を覚ました時、真っ先に視界が捉えたのは夜空に浮かぶ月だった。 彼女が仰向けになっていることに気付いたのは、僅か数秒後の話である。 痛みが響く頭を抑えながら記憶の糸を解いていけば、世界を照らす雷光に辿り着く。 エドワード・エルリックと共に御坂美琴の元へ到着し、ヒースクリフが彼女に殺害される瞬間だった。 淡い粒子のように消えた彼は、何処か憂いさを秘めた表情を浮かべこの世を去った。 どうしようもないような屑人間であった彼は最期に何を思ったのか。 少なくとも、別れる前にゲームの行く末を見届けたいなどと妄言を吐いた男が再び戦場に戻ったのだ。 何か心変わりするような出来事があったのだろうと推測するも、生憎、今の雪ノ下雪乃に他人を心配する余裕は無い。 動かそうとした左足に痛みを覚え、骨は折れていないようだが、赤く腫れ上がっている。 御坂美琴の雷撃を正面から受けたことを考えれば安いものだろう。そう、雷撃に襲われたのだ。 「貴方が助けてくれたのね」 『直撃を避けるだけで精一杯よ。悪いな、その足』 雷光に包まれる寸前、雪ノ下雪乃の身体を支配したアヌビス神は天性とも呼べる直感により、抵抗を試みた。 大地そのものを抉る裁きの一撃に対し、無理やりに身体を捻じ曲げ、紙一重で直撃を回避。 しかし、膨れ上がる爆発から逃れられることもなく、余波に吹き飛ばされ、戦場から離れてしまった。 「動けるだけで充分よ。私だってまだ、役に立てるんだから」 アヌビス神を支えにし、雪ノ下雪乃は立ち上がる。 左足から走る激痛に顔を歪ませ、胸の其処から嘔吐感が溢れ出そうになるも、必死に堪える。 エドワード・エルリックはまだ、戦っている。黒も己の意志を貫こうとしている。佐倉杏子だって足立透を拳を交えているかもしれない。 タスクだってしぶとく――自分だけが、休んでいる訳にはいかない。 「私を守って、誰かが死ぬのはもう……終わりにしたい」 右に傾く身体の重心を無理やり左に寄せる。 容赦なく痛む左足に涙が落ちそうになるが、此の程度の痛みで音を上げるなど、仲間に比べれば安いものだ。 必死に歯を食いしばり、ご自慢の黒髪に泥が付着しようが、構わない。 『無理だけはするなよ。生命あっての人生だぜ』 「私の身体を乗っ取って戦う刀が何を言っているのかしら。DIOの時の貴方からは考えられない台詞ね。 これまで無茶苦茶やって来た癖に、急に優しい言葉を投げてギャップでも狙ってるのかしら。そんなことをするよりも、他にやることがあると思うけれど」 『………………』 一息で言葉を投げ終えた雪ノ下雪乃の表情に、苦笑いが浮かぶ。 緊迫した状況の中で自分は何を言っているのだと。これも悪い影響を受けたに違いない。 此処まで一緒に戦った仲間達は誰もが強い人間だった。どんな困難にも立ち向かう、物語上の正義の味方と変わらない。 狡噛慎也が、泉新一が、タスクが――無論、比企谷八幡もその輪の中に入れてあげよう。今回だけの特別だ。 彼等の影響故、自分も随分と馬鹿な考えをするものになったと、雪ノ下雪乃は己を嘲笑う。 怪我をして、無理をして、皆のために立ち上がる。どうも、自分本来のキャラとは思えない。 今も身体が震えている。何度も死線を潜り抜けたが、慣れるものか。 自分は彼等と比べれば一般の女子高生であると自覚している。自分の世界ではなく、彼等との物差しに於いて。 刀を握るのも、銃弾を放つのも。何もかもが初体験であった。生きるためとは云え、他者の生命を奪う行為に慣れは訪れない。 だが、女々しいことを吐くだけの時間は終わっている。 彼女の強き瞳が捉えるは、雷光の眩き。 右足の踵を整え、胸に手を当て深呼吸。 「手術で痕跡が残らない程度の傷だったら許すわ」 『それは挑戦しがいのあるノルマだな。成功したらハイスコア更新だぜ』 「やるかやらないかじゃない。私はやらなくちゃならないの。そのためには貴方の力が必要になる」 『俺様を誰だと思っていやがる?』 「土壇場で私達を裏切ったどうしようもない刀、かしら」 『本当にすいませんでした』 何気ない会話も悠久の時を隔てたように感じてしまう。 あの頃の日常から随分と遠ざかったものだ。それも直に帰って来る。 帰り道は確保され、残りは道を踏み外した愚か者を無理やり、表舞台に引摺り上げるだけ。 エドワード・エルリックの行いは端から見れば、馬鹿げている。不殺の誓いなど、己の枷でしかあるまい。 だが、今になっても貫き通すその姿勢は、多くの人間が悪態をつきながらも、惹かれてしまった。 「頼りにしているわ。私と貴方は運命共同体。どちらかが欠ければ力を発揮出来ないの。 無理をしてもいい。無茶を押し通してもいい。次で全てが終わるなら、私は全力を尽くすだけだから」 『あったりまえよ! 俺達が雷女をなんとかする間に黒の奴は帰って来る! 杏子も同じだ! それにタスクの奴だって死なねえよ、あいつのしぶとさは身体を支配した俺様が一番分かっているからな!!』 ――当然よ。彼等が私より先にくたばるなんて、有り得ないわ。 そして、彼女は再び刀を握る。 体内を透き通るような感覚が迸り、精神に新たな人格が入り込む。 自分は弱い。弱者故に強者には敵わない。ならば、更なる高みを目指せ。 この一刀、生命を刈り取るに辿り着かずとも、明日を掴み取るための礎とならん。 「次に喉元へ喰らい付いたら絶対に離さない。こう見えて、執念深いんだから」 ◆ 吐いた鮮血に黒が混じり、鋼の錬金術師は苦笑いを浮かべる。 暗き夜空が箱庭世界を包む中、血液の色がやけにはっきりとしていた。 「何度も言わせるなよ、俺はお前を止める。 その罪を償ってもらうからな。お前にはもう誰も殺させねえし、お前も死なせねえ」 再度、口に溜まった鮮血を吐く。 紅い外套に付着した泥をはたき落とし、再び袖を通す。 そして掌を合わせ、一本の槍を精製し、助走を伴い投擲する。 「ふざけんじゃないわよ」 宙を斬り裂く槍が轟いた稲妻により、あっという間に消滅。 投擲と同時に大地を蹴り上げたエドワード・エルリックは更に錬成を重ねる。 「あんた達の考えが私にはわからない。最期の一人になれば願いが叶うなら、どうしてそれを目指さないの。 主催者を打倒するだとか、この世界から脱出するだとか――頭おかしいんじゃないの。求められている解答と質が違い過ぎる」 迫る土流の柱に御坂美琴は右腕を刺激し雷撃を放つ。 放出の瞬間、痛みにより表情を歪ませるも、構うものか。 この右腕が身体に付着している限り、まだ使えるという証拠。壊れるまで使い込むまで。 土流の柱と雷撃が衝突し、一帯は閃光に包まれるも、両者互いに相手を視界に収めていた。 エドワード・エルリックは何本もの石槍を錬成し、豪快に全てを投げ飛ばす。 それらに対し、御坂美琴もご丁寧に同じ数だけの雷撃の槍を創り上げ、全てが空中で激突し、爆ぜる。 「少しでも可能性があるなら、俺は絶対に諦めない。 お前も本当はわかっているんだろ、間違った道を進んでいるって――なら、今からでも此方側に戻ってこいよ」 「いい加減にしなさい――あんたって奴はなんでそうやって、前だけを見れるのよッ!」 右腕に握られた拳が怒号と共に鋼の錬金術師へ放たれた。 雷光の球体が風をも斬り裂く速度で接近し、反射的に土流の壁を錬成し、即席の盾となる。 「ッ――、馬鹿野郎がッ!」 盾が崩れた刹那、背後から飛び出した鋼の錬金術師は御坂美琴目掛け大地を走り抜ける。 「諦めるな、絶望するな、目を背けるな! 俺達はまだ生きているんだ、やり直すことだって出来るんだよ! 犯した罪が消える訳でも無いし、罰から逃げられないこともわかってる、だけど! たった一つの願いを叶えるために、他人を巻き込むなんて有り得ねえだろ!!」 幾つもの雷光が轟いた。何度も雷鳴が響いた。数え切れぬ稲妻が降り注いだ。 彼はその度に転倒し、立ち上がり、それでも吠え続ける。 「俺が弱いせいで、何人もの生命が救えなかった……けどよ、それで立ち止まっていたら、合わす顔がねえだろ。 みくのためにならねえし、大佐にどやされちまう。だから、俺は止まらねえ! それが、生きている奴が死んじまった奴等に出来る唯一のことだろうよ!」 やがて、距離を詰め、鋼の錬金術師は機械鎧の拳を握り込む。 接近を許した超電磁砲は己の不甲斐なさと、相手の執念に顔を歪めるも、右腕を持ち上げた。 炸裂する拳が、使い物にならない右腕にのめり込み、何かが潰れる音が響き、彼女の叫びが宙に舞う。 「――――――――――――――ッ、馬鹿みたい」 激痛に耐え、歯を食いしばり、彼女は言葉を紡ぐ。 「あんたが一番、死んだ人に囚われているじゃない」 絶え間なく右腕を己の雷で刺激し、極力、左腕を使用しない。 「自己満足もいいところよ……ッ、自分の行いを正当化するために、死者の存在を遣うなんて」 その言葉は彼に向けた物であるが、自分の心に深く刺さり込む。 「私が最初に殺した女の子だって、出会ってたかが数時間の子でしょ? どうしてその程度の関係なのに、そこまで肩入れ――――――っ」 腰を入れた一撃が御坂美琴の顔面に叩き込まれた。 右足を踏み込み、全体重を捧げた拳が、彼女の右腕を乗り越え、言葉を中断させる。 無様に大地を転がる御坂美琴へ容赦なく錬成された柱が襲い掛かるも、彼女は右腕から雷撃を鞭のように振るう。 轟音を響かせ、柱を全て粉砕するとその先にエドワード・エルリックが此方を睨んでいた。 「……なによ。おかしいのはあんたの方でしょ。事あるごとに、その前川みくって女の子を引き合いに出して。 馬鹿じゃないの? あんたが一番、死者に足を止められているじゃない。私にとってのその子は、ただの――死人なのよ」 本当に死者に足を止められているのは誰なのか。 本当に自分の行いを正当化するために、死者を引き合いに出しているのは誰なのか。 己の胸に災禍が渦巻く中、御坂美琴は迫る錬成物を雷光で薙ぎ払う。 「人の生命にッ! 優劣を付けているんじゃねえッ!!」 彼の言葉が突如として背後から響く。 錬成された柱の上に飛び乗っていた彼に気付けぬ己を御坂美琴は恥じた。 雷光の輝きに隠れ、エドワード・エルリックは彼女の背後を取ると、問答無用で顔面に拳を又も叩き込む。 「冗談も大概にしやがれ。これでも目が醒めないのなら、俺が何度だって止めてやる」 「本当に馬鹿な奴ね。私のために為ることなんて、死ぬことだけなのよ。 私を気に掛けているのなら、死んで。あんたが死ねばね、私だって――止まれるのよッ!」 刹那、無残にも大地を転がり、斃れていた御坂美琴に稲妻が轟いた。 耳を斬り裂く程の雷鳴が響き、視界を奪う雷光が世界に君臨し、エドワード・エルリックは腕で瞳を覆う。 満身創痍の彼女に是程の雷が蓄積されていたことに、驚きを隠せない。 ホムンクルスとの決戦から明らかにガス欠を意識していた彼女だが、その後の戦闘は現実と比例せずに派手になっている。 無尽蔵ではあるまい。 仮に彼女の雷に底が存在しないとなれば、有り得ぬ未来予想図に鋼の錬金術師は唾を飲み込んだ。 「驚いた顔。まるで私が底無しの発電機を積んでいるみたいな、信じられないような顔ね」 雷光の中心に立つ彼女は明らかにボロボロであった。 壊死した右腕は更に焦げ果て、最早、見た目は炭と変わらない。 割れた額からの出血により、彼女の右半身は完全に赤く染まってしまった。 「溜め込んだ電気も零よ。ヒースクリフ相手に底を尽きそうになったけど、これが正真正銘の最期。 あんたを殺すことに全力を注ぐ。他の連中はなんとかすればいい。だけど、あんただけは絶対に今此処で……殺さないと」 ――私が駄目になる。 風に掻き消された言葉を破壊するように、雷の覇道が大地を抉る。 強烈な波が迫り、エドワード・エルリックは防ぐことを早々に諦め、回避を選択。 横に跳ぶと、着地と同時に柱を錬成し、御坂美琴へ翔ばす。 柱は軽々しく、稲妻に破壊されるが、之までの戦闘から予測済みと更に錬成を重ね、柱を又も翔ばす。 御坂美琴の言葉が正しければ、相手にとっても此処が正念場である。 雷が底を尽くなら、乗り切れば彼女は無力となる筈。ならば、攻め時だろう。 幾つもの柱が粉砕され、欠片が宙を舞う中、エドワード・エルリックは一世一代の大錬成を行う。 彼の行った錬成光が欠片を通じ、別の欠片へと迸り、周囲一帯を蒼白の光が包み込む。 御坂美琴は警戒し大きく距離を取ると、錬成された巨大な槍に対し、軽く舌打ちを行う。 「このわからず屋、終わりにするぞ」 「上等じゃない、このわからず屋」 遥か高き天の頂きから放たれた槍の影が御坂美琴を暗く彩った。 赤黒い鮮血の混じった視界では上手く全景を把握仕切れないが、問題は無い。 物体が存在することを分かれば充分だ――不敵な笑みを浮かべた彼女は、右腕を無理やり振り上げ、稲妻を天に放つ。 箱庭世界全体を揺るがす衝撃が遥か遠き地平線にまで、響く。 機神の残骸が震え上がり、会場に残された死体の表面を振動させ、戦場に向かう雪ノ下雪乃すらを震撼させた。 「ああああああああああああああああ! 此処で死ぬなら、私に願いを叶えるだけの資格が無いだけの話――認めるかああああああああああああああ!!」 稲妻を放出し続け、彼女を支える足場が圧倒的な質量に耐え切れず、僅かながら陥没の動きあり。 冗談じゃないと御坂美琴は歯を食い縛り、さっさと槍を破壊しようと、更に出力を上げた。 基点となる右腕から繊維が焼き切れる音が響くも、彼女は苦痛の声を挙げるだけで、雷を止めなかった。 「そんなに自分の身体を痛め付けてまで、お前は……」 卑怯な男だ。御坂美琴は何よりも先に思う。 一度、錬成し腕から離れれば、本人の行動は自由である。 こうして、目の前に辿り着いたエドワード・エルリックに対し、彼女は為す術も無く、殴り飛ばされた。 豪快に殴り飛ばされ、大地を転がる中、受け身を取り立ち上がる御坂美琴へエドワード・エルリックが迫る。 大地に直撃する巨大な石槍を背景に接近する敵をどう対処すべきか、揺らぐ思考の中、御坂美琴は地上へ目を向ける。 嘗てヒースクリフが行ったとある動きを思い出し、賭けるしかないと覚悟を決める。この策に、鋼の錬金術師が気付く可能性は零である。 牽制代わりに放たれる雷撃を機械鎧に付与した刃で受け流し、エドワード・エドワードは更に距離を詰める。 お見通しだと御坂美琴はレーザー状に加工した稲妻を空間に走らせ、問答無用で彼の足を止めさせる。 強大な攻撃を防ぐべく、鋼の錬金術師は掌を合わせ大地に腕を下ろすも――彼は驚愕に襲われ、彼女がほくそ笑む。 「これは――――――――ッ」 「その錬成陣はあんたが私達の首輪を外す時に描いた人体錬成モドキの術式。まあ、ヒースクリフが何か書き足していたけど。 次にあんたが何処に飛ばされるか、知ったことちゃないけど、世界の終わりの壁際にでも飛ばされなさいよ。通行料……だっけか。生命でも奪われなさい」 「て、めぇ……御坂ああああああああああああああああああああああ!」 奇跡、偶然。 如何なる言葉で片付けようと、結果は変わらない。 嘗てロイ・マスタングに己の意志と反して、人体錬成を行わせたように。 偶然にも人体錬成の術式上に誘われてしまったエドワード・エルリックが光に包まれる。 彼は己が消える最期まで、御坂美琴へ腕を伸ばす。しかし、届くはずも無く、彼は消えた。 「ゲーム、セット……ぁ」 エドワード・エルリックの消滅を確認すると、糸が切れたように御坂美琴はその場に斃れた。 学園都市の上部が目を見開く程、何度だって限界を突破した。之まで大地に立てていたことが奇跡だろう。 終わりは呆気ないものである。誰もが劇的に死を迎える訳でないと口走ったが、その通りの結果となった。 あれだけ口煩く、何度も立ち塞がったエドワード・エルリックは世界の終わりの壁際に飛ばされた。 ヒースクリフの細工は不明だが、大本が変わっていなければ、真理の空間と呼ばれる無に飛ばされた筈。 自分の切断された四肢を取り戻すために訪れたが、地平線の彼方まで無が広がる悪趣味な空間だった。 ふと、思い出す。エドワード・エルリックに似た一人の少年が居たことを。 長い金色の髪から血筋の関係者と思うが、やけに痩せ細った少年であった。しかし、御坂美琴にとってはどうでもいい存在である。 鋼の錬金術師が死亡すれば、残る障害は佐倉杏子と黒のみ。 前者は足立透に期待するとして――あんな男に期待する自分が哀れだが、人間の怨念にも近い執念を信じるしかあるまい。 追い込まれ、開き直った人間の底力は時として、運命すらを変えることを彼女は知っている。 足立透にその資格があるかは不明だが、黙って死ぬ男ではないと、之までの戦闘を通じて知っている。 残るは黒となるが、正面衝突は避けられないだろう。エンブリヲが消えた今、彼と敵対する人物は残っていない。 調律者が消えただけ、良しとするべきか。契約者とは血で血を洗う総力戦となりそうだ。 さぁ、雷光をあれだけ輝かせ、雷鳴を轟かせた。 自分の居場所は他の生存者に知れ渡っているだろう。 相手をするためにも、御坂美琴は立ち上がった。 骨の数本が折れており、呼吸を行うだけで激痛が走る。 フィクションの世界では軽々しく肋の骨が数本イカれているが、現実は厳しい。 早く、終わらせよう。夜空を見上げた彼女の足元に何かが転がった。まだ残っていたのかと、表情が険しくなる。 これはエドワード・エルリックのパイプ爆弾だ。 見間違える筈もなく、雷を纏った右足で空へ蹴り上げると、彼女は生きていた最期の敵へ走り出した。 空中で爆ぜた溶光が闇夜に動く彼等を彩った。 全力で距離を詰める御坂美琴に対し、エドワード・エルリックは静かに腰を落とし、待ち構えていた。 彼女が牽制で雷撃を放ち、彼は最小限の動きで回避するも、幾分かは身体に触れ、肌の焼ける匂いが鼻先を刺激する。 右腕の筋肉繊維を刺激し、有り得ぬ加速を伴った拳が鋼の錬金術師の顔面に迫る。 予期せぬ速度に直撃を受けるも、彼の左足が彼女の右脇腹に叩き込まれ、両者共に蹈鞴を踏む。 御坂美琴が雷撃を放つよりも先に機械鎧の腕が彼女の顔面を掴み、錬金術師は力任せに右へ放り投げる。 右腕から大地に斃れ、彼女は悲鳴を上げるも、動きを止めることは無く、反射的に稲妻を飛ばす。 エドワード・エルリックの胴体に直撃し、彼は身体を大きく広げ斃れた。 大地を何度も転がり、焼ける感覚を取り払おうとするも、彼の上には砂鉄の剣が振り下ろされた。 この一撃で息の根を止める。御坂美琴はそのつもりであったが、無様に大地を転がられ、失敗。 次なる一手を放つ寸前、再度、彼女の足元に何かが辿り着く。 その光景は数分前と同じであり、芸のない男だと苛つきながら、空へ向かってパイプ爆弾を蹴り上げた。 夜空に爆弾が炸裂し、地上が照らされるが、正面にエドワード・エルリックは立っていない。 舐めた真似を――即座に御坂美琴は振り向くも、彼の姿は無かった。 「お前、血のせいで赤色がはっきりとわからないんだな」 鮮血の混在により、色素の判別が狂ってしまった右目は彼女にとって、予期せぬ死角と為っていた。 そのため、紅い外套を纏うエドワード・エルリックの行方を見失ってしまい、彼女の瞳は爆発の影響からか、機能しておらず。 接近を許してしまったが、次に一撃を貰えば終わりだ。再び立ち上がる自信は両者に存在しない。 エドワード・エルリックが何度目になるかわからない機械鎧のストレートを放ち、御坂美琴の右目に吸い込まれて行く。 迫る拳を前に、彼女はたった一つの願いを思い続けていた。 叶えるために、どれだけの想いを乗り越えたのか。 叶えるために、どれだけの生命を殺めてきたのか。 叶えるために、どれだけの嘘を自分に言い聞かせたのか。 「あああああああああああああああああああああああああああああ」 がむしゃらに左腕を伸ばす。 無理に壊死した右腕を使い続け、健在ながら使用を控えた左腕がエドワード・エルリックの顔面を掴む。 彼の拳は御坂美琴の顔面を捉えるも、真っ赤に染められた肌は鮮血によって泥濘んでおり、明後日の方向へ流されてしまう。 体勢を崩しながらも、彼等は大地に斃れること無く、御坂美琴は彼の顔面を掴んだ左腕を離すことは無かった。 「こ、これで……ゲ、ームセット」 この距離ならば外しはしない。 錬成よりも先に雷撃を叩き込める。 自然と彼女の口から、勝利の言葉が零れていた。 「どんな気持ちよ、遂に、私に殺される気持ちは」 「……悪いな」 「は……?」 返答された言葉を理解出来ず、彼女は間抜けな声を上げてしまう。 死の間近だと云うのに、この男は謝罪をしたのだ。 命乞いをしなければ、己の不甲斐なさに嘆く訳でも無く。 「結局、俺はお前を止められなかった。本当に、悪いな」 「な、何を言っているのよ。あんた、馬鹿じゃないの」 「馬鹿だよ。そうじゃなきゃあ、お前に此処まで付き合わないだろ」 彼は笑った。 何処か自分を嘲笑うような儚さを秘めていたが、御坂美琴は理解出来ない。 この男は何を口走っているのか。訳のわからない男だと思っていたが、最期の最期まで―― 「お前、本当はそんな人間じゃないのに、自分に嘘を吐いて此処まで来ちまった。 俺はそれを見ているのが嫌で、お前が壊れる前に救いたかったんだ。だけど……間に合わなかった」 あのツンツン頭の男と同じように、敵対者にまでも、救いの手を伸ばしていた。 「や、やめなさいよ」 「根っからの悪人なら、DIOの時も、ホムンクルスの時も、エンブリヲの時も……お前は俺達に協力しないもんな」 優しい言葉は彼女の薄い心を極限にまで痛め付ける。 やめろ、そんな言葉を投げ掛けるなと、彼の顔面を掴む腕に力が入る。 骨の軋む音が響く中、エドワード・エルリックは言葉を止めなかった。 彼の想いが、御坂美琴を更に苦しめる。 「誰に諭されたのか、最初の――あいつの死がどれだけ大きかったのか。白井を殺した時には、全てが遅かったのかもしれない」 語られた彼等の存在が脳裏に浮かび、それらがノイズとなって頭の中を支配する。 彼等の笑顔が歪み、頭に響く気味の悪い笑い声が、御坂美琴に苦痛を与えた。 「俺がもっとしっかりしていれば、みくも、他の仲間だって死ぬことは無かった。お前だって、その手を汚すことは無かった」 同じだ。この男もあいつと同じである。 自分は悪くないのに、無理にでも事象に結び付ける正真正銘のお人好し。 「お前がこうなったのは、お前のせいだ。それを否定する気はねえ。だけど――俺達も悪かったんだ」 刹那、御坂美琴の中に眠る何かが弾けた。 「黙れ――黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!」 エドワード・エルリックの顔面を掴む腕に血管が浮かび上がり、僅かながらに電気が迸る。 その影響か、彼の瞳から血が流れ出るも、彼女は雷を止めることは無かった。 「そうやってあんた、訳のわからないことを並べて、私を苦しめて! こんな私なんて放っておけばいいのに! 殺せばいいのに! 何時まで経っても手を差し伸べるあんたが、私は大嫌いなのよ!!」 「へっ、そうかよ。そりゃあ、思ったよりも茨の道を進んでいたんだな」 「う、自惚れるな! あんたのちっぽけな力じゃ、私じゃなくても、誰でも救えないわよ!!」 怒りの雷撃が更に強まり、エドワード・エルリックの頭上に湯毛が昇る。 迸る電流を止める術を持たず、彼は黙って自分の死を受け入れるしか無かった。 「喫茶店の約束、まさか俺が破ることになるなんてな……許してくるかな」 再開を約束した仲間の姿を想い出し、二度と会えない現実を噛み締め―― 「悪いな、アル。俺はやっぱり――そっちに帰れねえみたいだ」 「そ、そんな……」 雪ノ下雪乃が駆け付けた時、御坂美琴の叫び声だけが周囲に轟いていた。 涙を流しながらも、怒りと悲しみの混ざる悲痛なる声だけが、闇夜に響き渡る。 そして、雪ノ下雪乃の瞳に止まるは、無造作に投げられた一つの死体だった。 数十分前は健在で、どんな状況にも挫けず、最期まで自分の信念を貫き通す憧れの男だった。 震える自分を励まし、他人のために自分の危険を顧みずに動く、正真正銘のお人好しだった。 鋼の錬金術師エドワード・エルリック。 かの男は御坂美琴に投げ飛ばされ、頭から大地に斃れ、呼吸の動きすら見せていない。 「――アヌビス神」 間に合わなかった自分が許せない。 彼を死なせてしまった人間が許せない。 そして、自分一人じゃ戦えない自分が許せない。 「生きてさえいればいいから、私の身体を使って」 最早、自分が此のような言葉を吐くなど信じられるものか。 だが、胸の奥底から溢れ出る感情が抑えられない。この状況を懐かしい彼等に見られたら、何と言われるか。 そうだ、自信を以て言ってやろう。之が今の私の姿だ、と。恥じることは無い。 『分かった。俺の全てを捧げて、あいつを葬ってやる』 所有者の想いに、スタンドは全力で応えるだけだ。 最早、自分が此のような言葉を吐くなど信じられるものか。 自分も甘くなったものだ。しかし、コンサートホールで焼き果てるだけの運命がこうも変わったのだ。 自信を以て言ってやる。今の俺に勝てる奴が存在する訳ないだろ、と。恐れることは無い。 「はぁ、はぁ……なによ、生きてたのね。馬鹿な女よ、あんたは。自分から殺されに来るなんて」 落ち着きを取り戻した御坂美琴は肩で呼吸を整え、ようやく来訪者に気付いた。 馬鹿な獲物がまた一人、自分から首を捧げにやって来たのだ。ならば、狩人として取る行動は一つ。 右腕に雷光が集中し、微小なる爆発音が響く。右肩に小さな穴が空き、鮮血が垂れ落ちた。 こうも壊れたのか――崩れ征く己の身体を嘲笑い、それを合図に雪ノ下雪乃が大地を蹴り上げた。 『当たらねえよ!』 迫る雷光を雪ノ下雪乃――身体を支配したアヌビス神は軽々しく避ける。 アカメの身体を乗っ取り、キング・ブラッドレイとの戦闘で経験を積んだ彼に、雷光など恐れるに足らず。 次第に距離を詰め、大地と垂直に掲げられた刀身に月明かりが灯る。 『その首、貰った!』 「冗談じゃ、ないってえええのおおおおおおおおおおおおおおお!」 斬り上げの一撃を御坂美琴は強引に両者の空間に稲妻を走らせ、アヌビス神の動きを中断させる。 後退し距離を取る相手に容赦なく雷撃の槍を投擲し追撃するも、敵は芸術とも呼べる領域の芸当で雷撃を受け流す。 しかし、本体である雪ノ下雪乃の身体は無事に非ず。雷撃の槍の余波で頬に僅かながら傷が生まれ、血が流れ落ちる。 「構わないから、戦って――!」 『任せろ、俺達は絶対に……負けないッ!!』 再び大地を蹴り上げ、アヌビス神は弧を描きながら距離を詰める。 迫る雷撃をやり過ごし、一刀の間合いに詰め寄るも、放電により、踏み込めない。 埒が明かないのは明白である。何処か無理をしなければ、一太刀も浴びせられない。 だが、雪ノ下雪乃は極普通の女子高生であり、血と硝煙の薫りから離れた存在であるが故、引けてしまうのだ。 アヌビス神は心の何処かで彼女に遠慮しており、自分らしく無いと想いながらも、何処かでセーブしていた。しかし 「構わないって言った筈よ。私をオオカミ少年やピノキオと同類にするつもりかしら」 『――怒るなよ』 「怒るわよ。だから精々、頑張りなさい」 『怖いご主人様だが――乗った!!』 迫る雷撃を受け流すも、明らかに数秒前とは異なる動きで距離を詰める。 非ぬ方向へ流すために、着実に足を止めていたが、今のアヌビス神は多少の電気を物ともせず、突っ込む。 雪ノ下雪乃の肌が若干黒焦げようが、彼は足を止めずに、御坂美琴へ走り続けるのだ。 雷撃の槍を正面から叩き斬り、本元から離れている電気の余波ならば、構わずに大地を蹴り上げる。 やがて、一刀の間合いに御坂美琴を捉え、彼女が砂鉄の剣を用いるも、剣戟ならば負けるものか。 一刀両断。 彼女からすれば刹那の見切りであるが、アヌビス神にとっては造作も無いこと。 大きく距離を取る彼女に対し、アヌビス神は剣先を振るう。彼に遠距離攻撃の類は持ち合わせていないが、経験値がある。 「め、潰し……チィ!」 『お前を葬るために、負けられないんだよォ!!』 払った一撃は仇敵の首を刈り取るために行われた死の瞬きである。 剣先に乗せられた血液が御坂美琴の目へ着弾し、赤み掛かった彼女の視界を更に赤く染め上げる。 嘗てアカメがキング・ブラッドレイの首を刈り取るべく放った一撃を、アヌビス神は土壇場で放ったのだ。 「これで――葬るッ!」 「やれるもんならやってみなさいよ、私を止められるなら、あんたが止めてみなさいよッ!!」 最期の決着を果たすべく、アヌビス神は夜空へ跳ぶ。 刀にありったけの想いを込め、全ての死者の想いを宿し、意地を貫き通す。 対する御坂美琴も又、障害を滅するためにありったけの雷光を身体へ纏わせ、右腕を空へ伸ばす。 彼女が咄嗟に取った動きは慣れ親しんだ超電磁砲であった。 足場の破片を放り投げ、問答無用に右拳で殴り抜ける。 ぐしゃりと拳が潰れる音が響き、皮が剥げ、肉が削ぎ落ち、骨が露わになるも、彼女は止まらない。 遂に右腕の活動限界を超えたが、此処まで保てば充分であろう。 本来であれば、ヒースクリフとの戦闘にて朽ち果ててもおかしくはない。 だが、自分には左腕が残っている――超電磁砲を加速させるべく、更なる雷撃を叩き込む。 『う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 調整された箱庭世界の枠組みが適用されなければ、雷撃など回避不可能である。 茅場晶彦が施した細工により、ある程度の戦力差が改善され、現状のアヌビス神は最も恩恵を受ける存在となる。 雷撃など避けられるものか。雷撃など耐えられるものか。だが、彼は止まらない。 御坂美琴と敵対した存在は何度も雷光を潜り抜け、雷鳴に立ち向かい、雷撃を耐え抜いた。 彼等が特別、雷の耐性を持ち合わせている訳ではない。茅場晶彦の遊び心が、彼等を此処まで導いたのだ。 『もう少し、もう少し!』 圧倒的な雷撃ににより刀身に亀裂が走るも、アヌビス神は止まらない。 宙に押し留められているが、気合で着実に押し返し、刃は確実に御坂美琴へ迫っている。 雪ノ下雪乃の身体が悲鳴を上げるも、彼女だって承知の上。 腕の一本程度ならば失っても許されるだろう――と、思い込んでいるのはアヌビス神だけだろうが。 歯を食い縛り、瞳は逸らさず、天高く響き渡る咆哮は止まず、己の意地を貫き通せ。 『言われたんだよ、葬れってなああああああああああああああああああ!!』 溢れんばかりの雷撃を押し返し、アヌビス神が大地に二の足を下ろす。 其れ即ち、必殺の間合いに敵を収めた事と同義也。 全ての死者の想いを乗せ、明日を求める希望と願いを刀身に宿し、最期の一撃が御坂美琴の身体を斬り裂いた。 豪快に刃が過ぎ去り、勢いを殺し切れず、大地に突き刺さる。 もう役目は果たした――耐え切れぬ負荷に刀身が砕け散り、欠片が宙を舞う。 死者の上に立ち、最期の最期まで藻掻いた参加者に非ず、されど精神は立派な参加者の一人だった男が、散った。 「あ、りがとう……これぐらいの無茶は、許してあげ……るわ」 彼から開放された雪ノ下雪乃は雷撃により蝕まれた身体のバランスを保つ事が出来ず、蹈鞴を踏んでしまう。 蹌踉めきながらも、大地に斃れることは無く、先に旅立った仲間に想いを馳せ、空を見上げる。 嘗て、独りだった魔法少女は自分に関わった人間が死に、自分だけが生き残ると嘆いていた。 思い返せば、バトル・ロワイアルのルール上、当たり前のことではあるのだが、今は彼女の気持ちがよく分かる。 エドワード・エルリックが旅立ち、アヌビス神も天へと続く階段を駆け上がってしまった。 残りは佐倉杏子、タスク、そして黒。 愛すべき最高の仲間達の帰還を待つだけとなったが、女の執念は恐るべきものだと思わずにいられない。 死者の怨念だろうか。 自分の足首を確かにがっちりと掴まれた感触が走る。 その腕は炭の如く黒く焦げ果て、その正体は独りしかあるまい。 「ま、だ……生きてい、、、たの、ね」 御坂美琴。 アヌビス神に上半身を斬り裂かれながら、生命の灯火は未だ健在。 うつ伏せに斃れる彼女の胴体から鮮血が絶え間なく溢れ、血の池が生まれるも、彼女は腕を離さない。 「これ、でぇ……ぜぇ、終わり、……はは、どうよ」 これ見よがしに威嚇代わりの雷鳴を眼前に轟かせる。 ズバチイと音が響き、前髪が浮かび上がるも、その雷光はあまりに弱々しかった。 周囲を照らすことは疎か、御坂美琴の表情すら伺えない程、小さな灯りだった。 しかし、限界寸前の状態は雪ノ下雪乃も同じ。 アヌビス神の無茶な動きにより、立っているだけでやっとである。 御坂美琴の腕を蹴り落とす力も残っておらず、そもそも、雷撃により身体の繊維が一部だが焼き切れている。 走ることもまま為らぬため、彼女にとっての正念場が訪れる。 「――貴方は、本当に哀れな女ね。独りよがりの悲劇のヒロインだなんて、可哀想に」 「……なによ、どっちが生殺与奪権を握ってるか、わかってるの」 大地に斃れながらも、見下されながらも。 御坂美琴が優位な事に変わりなく。されど、雪ノ下雪乃は厳しい言葉を吐き捨てる。 「貴方が優勝して、願いを叶えたところで、彼は、彼女達は嬉しく思ってくれると本気で想っているのかしら? この程度のことはきっと何回も言われて来ただろうけど、敢えて突き付けるわ。貴方の自己満足よ、馬鹿じゃないの?」 「だ、黙りなさいよ」 「嫌よ。貴方は救いたい人がいる。其れは別に勝手なこと。だけど……そのために他人を殺すだなんて、頭がデトロイトなのかしら。 罪を重ねて、やっとの想いで最期の独りになって、晴れて願いを叶える。死者の土で創り上げた粘土細工のお人形さんの身にもなってみたらどうかしら」 「黙れ――黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!」 「――ッ、ぁ、っ……そうやって力で捩じ伏せるのね」 分かっていた。 御坂美琴はその結論に最初から辿り着いていた。 だが、自分を偽り続けることで、彼女は此処まで戦った。 改めて現実を叩き付ける雪ノ下雪乃に、御坂美琴は感情の昂ぶりを抑えられず。 気付けば意と反して彼女の身体に僅かながら雷撃を走らせていた。 苦痛の表情を浮かべるも、一度開いた彼女の口は、止まらない。 「復讐や決意を貶めるつもりはないの。ただ、私が理解出来ないだけ。 正直に言うけれど、貴方は何れ――いえ、何でもないわ。知らない方が幸せね。私は優しいから黙っててあげる」 「こ、のおん、なぁ……」 「っ――ァ、っ、ぃ……」 再び電流が流れるも、彼女は死なず。 御坂美琴も又、限界が訪れており、雷撃を操るだけの気力すら底を尽きかけている。 「私も貴方と同じだけど、貴方と同じようにはならなかった。それは私が弱いだけで、貴方みたいな力を持っていたら――云え、貴方のように為る筈がないわ」 ――あんた、何を言っているの。 掠れた声の問に、雪ノ下雪乃は勝ち誇った笑みを浮かべていた。 見下している状況も相まって、完全に彼女が優位を握っているようにしか見えず。 深い深呼吸をした後、彼女は言い切ったのだ。思いの丈を、自分の心を、彼に向けて。 「私も貴方と同じように大切な人を――ええ、今だけは大切な人と言ってあげる。彼を失った。 だけど、道を踏み間違えることは無かった。私は貴方みたいな力を持たない代わりに、仲間に恵まれた」 涙を浮かべ、瞳を閉じれば、脳裏に浮かぶはかけがえのない仲間達。 彼等の明るく、頼もしい表情が過ぎ去れば、思い浮かぶは大切な日常の、小さな幸せだった日々。 「貴方は彼の前で堂々と胸を張れるのかしら。他人を殺めたその醜い姿で。 私は貴方と違う。私は彼の前で堂々と胸を張って言ってやるのよ。早死し過ぎって――それと、ありがとうって」 「ぁ――ぁ」 御坂美琴の心が美しい音を奏で、崩れ落ちる。 目を逸し続けた現実が、今となって彼女を黒く塗り潰し、溢れる涙が止まらない。 気付けば彼女はありったけの雷撃を放出し、雪ノ下雪乃の生命を奪っていた。 彼女が斃れて尚、雷撃が流れ続け、雪ノ下雪乃と呼ばれた人間は数分を経たずに、黒く染まる。 御坂美琴は強い決意と覚悟を決めていた。 親友たる白井黒子をその手で殺めた時から、彼女は振り返ることを選択しなかった。 だが、極限状態に追い込まれ、騙し騙しに動かした身体に限界が訪れたこと。 致命傷を超える一撃を受け、己の死期を悟ってしまったこと。 雪ノ下雪乃に現実を突き付けられ、別の可能性を示され、悲しみの淵に叩き落とされたこと。 そして何よりも――こんな自分に救いの手を伸ばし続けたエドワード・エルリックを殺してしまったこと。 様々な要因が重なり、確固たる信念を持ち合わせてたとは云え、等身大の女子中学生である彼女の精神は相応に脆い。 溢れ出る涙を止められず、叫び声が会場全体に響き渡り、他者に襲われれば、彼女は戦えない。 彼女の涙を拭う者は残っていない。 彼女の行いを咎める者はもういない。 彼女の肩を支える者は此の世を去ってしまった。 だが。 之は彼女が選択したこと。 彼女が選んだこと。 この結末を誰よりも望んでいたのは――御坂美琴である。 【ヒースクリフ@ソードアート・オンライン 死亡】 【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 死亡】 【アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 消滅】 【雪ノ下雪乃@やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 死亡】 【 バトル・ロワイアル -ゲーム終了- 優勝者:御坂美琴@とある科学の超電磁砲 】 時系列順で読む Back Remember Of Die Next Period 投下順で読む Back Remember Of Die Next Period
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continue Javaにおいてcontinueは繰り返し内の処理を飛ばし、先頭に戻り処理を続ける命令です。 continue 使用例 1 ContinueSample1.java class ContinueSample1 { public static void main(String[] args) { for (int i = 0; i 5; i++) { if (i == 2) { continue; } System.out.println(i); } } } 実行結果 C \java javac ContinueSample1.java C \java java ContinueSample1 0 1 3 4 以上のようにcontinueが呼ばれた場合、ループを1度飛ばし、ループの先頭に戻っていることがわかります。
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曲Data Lv BPM TOTAL NOTES 平均密度 ★15 212-212 1269 10.16Notes/s 譜面構成・攻略 譜面画像
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【登録タグ 2009年 C NexTone管理曲 VOCALOID Youtubeミリオン達成曲 ピノキオピー 初音ミク 曲 曲英 殿堂入り】 作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー 編曲:ピノキオピー 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『CONTINUE』(コンティニュー) ピノキオピーの8作目。 生音風ピコピコ打ち込み。あの日。前世と来世。(作者コメ転載) デビュー1周年を記念してリメイクされました(タイトルは「Re Continue」)。聴き比べてみましょう。 更に、アルバム『Яareno collection』収録版が「Last Continue」として公開。このバージョンにて初の殿堂入りを果たした。 歌詞 優しさ 怖くて 目をふせて触れたよ 古傷に忍び込んで 今日を忘れるよ 月明かりは二人の距離を近づけ 朝日は残酷な現実を突きつける 生まれ変わって会いに行けば 千切れた心も癒せるかな 誰かに操られていたのさ 作り物の羽に酔ったのさ あの日に戻れたらいいのにな あの日に戻れたらいいのにな 前世と来世に挟まれて 一方通行の道は続く 理性を保つため 前頭葉が痛むよ 感情が牙を剥いて 醜さを知るよ 誰も理解出来ずに一生を過ごすの? 誰にも理解されずに死んで行くの? 未来への希望も抱けずに 絶望を浴びせ呑んだ夜も どうにかしなきゃと思ってるから やつれた心で繋いでるから あの日に戻れたらいいのにな あの日に戻れたらいいのにな 疲れて立ち止まり振りかえっても あの日は助けちゃくれないんだ 人間というカタチのまま たりない夢を満たせるかな 人間というカタチのまま 一体どこまで歩けるかな 生まれ変わって会いに行けば 千切れた心も癒せるかな 誰かに操られていたのさ 作り物の羽に酔ったのさ あの日に戻れたらいいのにな あの日に戻れたらいいのにな 前世と来世に挟まれて 一方通行の道は続く 関連動画 はんにゃG氏によるカバー コメント もっと評価されてほしい(´・ω・`) Re Continueもすごいすき -- 名無しさん (2010-02-27 22 47 30) 愛してる -- 名無しさん (2010-03-30 00 53 48) Re Continueの方を聴いて知ったけど本当に良い曲だ。サビとか泣きそうになる。 -- 毬藻 (2010-04-06 19 53 46) もっともっともっと評価されるべき -- 名無しさん (2010-05-19 02 30 45) 大好きだ -- 名無しさん (2010-06-04 22 42 51) あの日に戻れたらいいのにな、泣きそう -- 名無しさん (2014-08-06 00 19 47) この曲大好き -- 名無しさん (2014-08-22 18 53 50) last continue来ましたね。正直泣きそうでした。 -- 名無しさん (2014-08-30 14 58 25) いい曲 -- 名無しさん (2014-09-04 18 44 31) 神すぎる。最初のピコピコですきになる!何回聴いても飽きないわ。泣けます… -- 左利きの戦士 (2014-09-08 00 32 53) 「それぞれに人生がある」もそうだけど、ゲームをモデルにした曲好きだわ~ -- 名無しさん (2014-11-12 14 07 59) 私もそう。ゲームをモデルにした曲大好き。感動した(:v;) -- ぴけ (2015-01-19 23 29 50) たりないかぼちゃより短いはずなのになぜか長く感じる -- アイミ (2015-01-19 23 34 21) 姉がpinocchiopを「ピノチオピー」って読んでたけどあってるかな?もっと評価(ノ-◡-)ノ -- 名無しさん (2015-01-19 23 38 16) 本当に良い曲。大好き -- かみたん (2015-02-12 21 53 45) この曲の題名なんて読むのですか?…わからなくて…(汗) -- 六花 (2015-03-19 18 49 10) ↑COUNTINUEはコンティニュー、Re Continueはリコンティニュー、LastCountinueはラストコンティニューと読みます!多分ですが -- かみたん (2015-05-18 15 41 48) とてもいい曲!大好きになった! -- ミユウ (2015-06-14 20 26 29) 最高 -- 名無しさん (2018-01-27 20 34 25) すっごく好き…もっともっと評価されてしまえ← -- 林檎雨 (2018-09-19 20 54 16) 今でもこれが一番好きだ -- 名無しさん (2022-05-14 13 10 57) 名前 コメント